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2014'07.03 (Thu)

ある女性の話

先日、長らく教師として働いて来られた
70歳を過ぎた女性とお話をする機会があった。

ある集まりの帰り、バスでたまたま二人になったのだ。
車中で、小さな女の子とお婆さんが、七夕の願い事の話しをしていて、
それがなんとも微笑ましく、可愛らしくて、
私は、お孫さんいらっしゃるのですか?
とたずねたのだった。

しばし、無言だったのだけれど、その後話して下さったお話は、
壮絶だった。

離婚して、娘を一人で育ててきたけれど、
長らく娘とは普通の関係じゃなかった。
漸く普通に、人間らしく話が出来るようになったのは、最近。
娘は49歳。49にならなければ会話ができない親子だったの。と
おっしゃった。

教師として、全力で仕事をしていたから、帰宅も遅くなる。
でも、全力で仕事に取り組む姿勢は、娘さんに通じているはず。
二人の生活だってかかっているのだから当然だ。働くことは善。
・・・だったはずなのだろうけれど、通じてはいなかったようだ。

娘はグレてしまったの。そりゃあひどいものだった。
みんな、私の勝手な思い込みだったの。
ほったらかしにされた、と言われたら、その通りだったのだから。
そうおっしゃった。

娘さんの中学高校からその先の進路、生活。
何回かの男性との同棲や離別。
サラッとおっしゃったけれど、その間の母娘の葛藤はどんなにすさまじいものだったろう。
想像するだけで胸がつまる。

今はやっと落ち着いて暮らしているの。
話もできるようになったけれど、私の最後は看ない、
と宣言されているの。仕方ないと思っている。
・・・そうおっしゃって、淋しく微笑まれた。


一時期、鬱病になり、薬を服用していたのだけれど、
その副作用で、体が段々おかしくなり、
ぼんやりと寝てばかりいるようになってしまったのだそうだ。
それで、親族にグループホームに入れられて、
認知症患者として生活していた時期があったそうだ。
その時、教え子で医師になった人が見舞ってくれて、
鬱病の薬の副作用ではないか、と気付いてくれて、
それから減薬して回復されたのだそうだ。

今は一人暮らし。
体調が悪い時は、不安だけれど、それも仕方ない。
そもそも、生きて行くことは淋しいものだ。
でも、こうしてあなたみたいな若いお知り合いが出来て、
そんなの、ちょっと良いじゃない。
そうおっしゃってにこやかに笑われた。

子どもや夫、身内とか血縁に頼れなくても、
人とのつながりを大切にして、新たな出会いにも積極的で、
そこで救われているのではないだろうか。
やはり、人は一人では生きられないのだから。
・・・それでも、淋しいだろうな、と容易に想像がつく。
淡々として見えるのは、果たして諦めなのか、達観なのか。

私は、どんな人生最後の時間を生きることになるのだろう?
残り時間の方が確実に短いのだ。
終わりのその時まで行きぬくのは、本当にたいへんなことだ。
そんなことを考えさせられた出会いだった。





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Comment

何だか小説のような人生ですね。



そして、淡々と語るのは映画で自分の過去を回想するシーンのようですね。
人生の嵐が過ぎて、第三者として俯瞰しているのかもしれませんね。




身内でなくても人間は会話が成立する人がいることが必須なのですね。
バッチ | 2014年07月04日(金) 10:21 | URL | コメント編集

★Re: バッチさんへ

親子であるが故・・・お二人の現在の関係は、
そんなふうに思われました。
他人とだったなら、ここまでこじれたりはしないような気がするのです。
・・・だからよけいに、お淋しいだろうな、と胸が締め付けられるようでした。

そして、教師という職業も素晴らしいものだな、とも思いました。
全霊でむきあったからこそ、救い出される、ということがあったのだと思いました。

悲しくても辛くても、じっと胸に受け止めて、静かに受け入れている、
そんな女性に見えました。
jtstj | 2014年07月04日(金) 13:39 | URL | コメント編集

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