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2012'11.11 (Sun)

奨学金は貧困ビジネス?

昨日、「教育における格差と貧困」というセミナーに出席しました。
講師は中京大教授の大内裕和さん。

私たちが学生だったころと、奨学金制度そのものが激変していました。

1種という無利子の奨学金と、1984年まではなかった有利子奨学金2種のふたつになり、
1種は特に優れた学生向けなのだそうです。
充分に1種を利用できると思われる学生でも、1種で貸してはもらえず、
2種に行かざるを得ないのが現状なのだそうです。

お金が無いのに、大学へ進学なんてするな、という理屈も、
そんな単純な話しではないようです。
高卒で働こうにも、高卒の求人自体が極端に少なくて、
そもそも働く場が無いのだから、大学や専門学校へ、
しいられた進学をせざるを得ないケースがとても多いのだとか。
就職できず、大学院へ進学するのと同じなのだ感じました。

受益者負担と言ったところで虚しく響く。
大学進学が、受益とはなっていないのが現状ですから。
正規職員としての就職も困難で、不安定な立場で低賃金労働。
非正規の場合、第2種奨学金を借りていたら、
返済は不可能だと言っていました。
返済できないとどうなるか。
年10%の延滞金プラス利息がついて、元本を全部払い終えないと、終わらない。
日本学生支援機構は、債権回収会社に情報を回し、
そこが奨学金の回収をしているのです。
容赦なく、ブラックリストに載ってしまうのも、
まったく、サラ金、クレジットと同じでした。
現在、親や祖父母が返済している割合も高いそうです。
大学生の50%くらいが奨学金を借りているから、
結婚相手も借りていたら、ダブルの負担になること。
また、自分の奨学金返済が終わらないうちに、子どもの学資が必要になる、
そんな時代になりつつある・・・
と、ため息の出るような内容の話が続きました。

現在の奨学金は奨学金ではなくなっている。
適格な人が借りれなくなっている。
一定の年収以下の人には返済を免除するとか、
猶予期間5年という上限を撤廃する必要があるのではないか。
そもそも本人の年収で返済するのが原則で、親や祖父母が返済、
というのはおかしなこと。
また、借りたお金を返すのは当然としても、有利子はなくすべき。
給付型の奨学金をつくるとか、授業料を無償にするなども検討すべき。

最後はそんなアピールがありました。

大学生や院生が将来の自分の姿に希望を見いだせなければ、
学問に対するモチベイションを維持し続けられるのだろうか。
家計所得の減少にともなって、社会の入り口に立つ時点で
既に多額の借金を背負っている。
しかも極端な就職難。名ばかり正規、ブラック企業。

個人の問題だけに帰しているのは無理があります。
努力すれば何とかなる時代に、はじめて自己責任が問えるのではないのか。
奨学金の問題は、実は
労働問題であり、貧困問題であり、金融問題なのでありました。


子どもを持つ親にとって、学費は切実な問題です。
親も学ばなければ。




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テーマ : 日常雑感 - ジャンル : ブログ

12:55  |  日常雑感  |  TB(1)  |  CM(6)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

大学の奨学金の問題には、
昨今の高等教育、格差、雇用、等さまざまな問題が凝縮されていると感じました。
二世代、三世代に渡っての返済、将来ブラックリストに載ってしまう可能性、
若者の希望喪失、等々……。
本当に深刻な現実ですね。
教育は国家の百年の計とも言われます。
若い人々が希望を持って明るくのびのびと学び働くことが出来るよう、
早急に手を打つ必要がありましょう。
この国の未来のために。
サハラの南 | 2012年11月11日(日) 14:38 | URL | コメント編集

>年10%の延滞金プラス利息がついて、元本を全部払い終えない>と、終わらない


随分高いですね。
住宅ローンのほうが安いですね。


>大学生や院生が将来の自分の姿に希望を見いだせなければ


大事なポイントですね。
勉学のモチベーションが保てるどころか、生きるモチベーションも保てなくなってしまいますよね。
義弟は医師会の仕事もしていますが、
「若者が希望を持てる社会を作りたい」
と言っていました。
若者が希望を持っていればその親も幸せになれますね。



奨学金事情がこんなだったとは。気持ちが沈んでしまいますね。
バッチ | 2012年11月11日(日) 21:52 | URL | コメント編集

★Re: サハラの南様へ

セミナーに出てみて、今の大学生の置かれている現実を
知りました。予想以上に、厳しく、過酷なものでした。
東京や京都、大阪など、都市部の大学に出ることも
たいへん困難なようです。
自宅通学の学生がどんどん増えていて、大内さんが調べた中で、
中京大では3時間以上かけて通学している学生も居たそうです。
経済的な理由で、地元の大学でないと学べない。
田中大臣の発言に、学生の現実をもっと認識してもらいたい、
と言っていました。
日本の教育施策は、本当に貧しいですね。
これから続く世代のために、心から、なんとかしたい、と思います。
jtstj | 2012年11月12日(月) 09:55 | URL | コメント編集

★Re: バッチさんへ

もはや、奨学金という名のローン、クレジットのような気さえしました。
子どもの数が減るわけだ、と深く納得しました。

講師の大内さんが、正社員として雇用されて、ちゃんと賞与が支給されれば、
返済できないような額ではないのだけれど、それがままならない。
そういう職に就けない。労働問題でもあるのです。
と言っていましたが、本当にそうですね。
若者が希望を持てる社会、実現してもらいたいです。
jtstj | 2012年11月12日(月) 10:07 | URL | コメント編集

奨学金のせいで結婚ができないケースがある、場合はもはや社会問題であり、社会保障がされるべき段階の問題ですのにね。。

まるで奨学金と書いてサラ金という利率でしたね、返済額最高2000万まで膨らんだ例があるとたしかおっしゃってましたね。

どこもかしこも、モラルがなくなっている気がします。
k-えり | 2013年02月07日(木) 09:14 | URL | コメント編集

★Re: K-えりさんへ

本当に奨学金という名前のサラ金ですよね。
若い人たちには、個人の問題ではなく、
社会的な問題なのだ、という視点を持って、
大いに声をあげて欲しいと思います。
jtstj | 2013年02月07日(木) 09:58 | URL | コメント編集

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昨日、「教育における格差と貧困」というセミナーに出席しました。講師は中京大教授の大内裕和さん。私た
2012/11/13(火) 04:25:33 | まっとめBLOG速報

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